
街はすでに、クリスマスのイルミネーションでいっぱいだ。
ぼくは、街が暗くなる頃は、イルミネーションを見ることができるようなにぎやかな所にはいないことが多いが、小さなお店や街道沿いのスーパーでも、クリスマスバージョンに模様替えをしていて、見かけるたびに、「まだクリスマスまで、ずいぶんあるのに、気が早いな」などと思っていた。
正直いって、年末はいそがしいし、たいして良いこともない。
クリスマスだからといってうかれる気分にはなれないのが、毎年のことだ。
先日、人との約束があって、夕方、駅で待ち合わせをした。
日が落ちるのが早くて、あっという間に、街は暗くなった。
天気は雨。道行く人は、うつむいて傘をさしている。
街が暗くなった瞬間、駅ビルが一斉にライトアップされた。
うつむいて傘をさしていた人たちは、一斉に駅ビルを見上げる。
駅の周辺がいきなり、クリスマスバーションになった。
人々は、携帯をとりだして、携帯のカメラで写真をとりはじめる。
あちこちで、シャッター音。
きれいだった。感動した。
もちろんぼくも、携帯で写真をとった。
きれいなことはいいことだと思った。
クリスマスは、そもそも、イエス・キリストの聖誕祭である。
キリスト教信者が少数のこの国で、クリスマスを祝うのは賛否両論があるかもしれない。
だけどぼくは、これは日本のいいところの一つだと思う。
世界中の人が、主義主張をこえて、お互いの幸せについて祝いあうことができればいいのにね。
しかし、クリスマスまで、まだ一ヶ月以上ある。
これでもかというほど、街はクリスマスバージョン。
これでは、当日に、感動がうすれてしまうんじゃないかと、ちょっと心配。
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